Penicillium roquefortiの培養からfestuclavineおよび3種の新インドール・アルカロイドroquefortine A, BおよびCの分離
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概要
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実験室周辺の土壌から,静置ならびに振盪の両培養でいくつかのインドール・アルカロイドを生産しうるペニシリウム属の1菌株を分離し,かつこの菌株がPenicillium yoqueforti Thomであることを明らかにするとともに,その1選択株の静置培養から,アルミナ・カラム・クロマトグラフィーを用いる常法によって,麦角アルカロイドfestuclavineおよび3種の新規インドール・アルカロイドroquefortine A, BおよびCを単離した.これら新アルカロイドのうち, roquefortine AとBとは,ともに麦角アルカロイドに特有のエルゴリン核を有するアルカロイドで,前者は6, 9-dimethyl-7-O-acetyl-ergolineであり,後者は6, 9-dimethyl-7-hydroxyl-ergolineであると推定された,また,これらのアルカロイド中,主要なものはroquefortine Aであること,このroquefortine Aは実験動物において,微弱ながら筋弛緩作用,その他種々の薬理作用を示す低毒性の物質であること,なども知られた.さらにこのroquefortine Aは,きわめて微量のroquefortine Bその他とともに,布販の各種ロックフォール型チーズ中にも,チーズ1kg当り0.2〜3,6mgという,全く問題とするには当らない微量で含有されているという事実も見出された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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