たばこ煙の低沸点塩基
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概要
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各種葉たばこ,およびその煙の低沸点塩基性部をガスクロマトグラフィーにより分析し,その組成を明らかにした.葉たばこの煙では,検出した29成分のうち20成分を同定定量した.アンモニアおよびピリジン類以外では概してメチルアミンが最も多く,ジメチルアミン,トリメチルアミン,エチルアミンおよびN-メチルピロリジンがこれについだ.葉たばこではメチルアミン,ジメチルアミンおよびN-メチルピロリジンがおもな低級アミンであった.これらのアミン類の葉たばこ中および煙中の含量は葉たばこの種類によって異なったが,定性上の差異はほとんどなかった. 葉たばこ粉末の熱分解により,葉たばこ中に含まれているよりも著しく多量の低級アミン類が生成した.葉たばこおよび煙中の低級アミン類の組成と既知の葉たばこ中の遊離アミノ酸の組成の比較から,アミノ酸が葉たばこおよびその煙中の低級アミン類の主要な起源の一つであることが推定された.またニコチンを熱分解した結果,窒素中では600°C,空気中では400°Cにおいて多種類の低級アミン類が生成した.しかしその他の温度ではメチルアミン以外は少なく,したがってニコチンは煙中のメチルアミン以外の低級アミン類の主生成源とはなり得ないと考えられる.
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