家蚕消化液ヌクレアーゼの作用様式とoligonucleotideの塩基順列決定への利用
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概要
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(1) Oligonucleotideの塩基順列決定法として,家蚕消化液ヌクレアーゼの使用を考え,次のモデル実験を行なった.まず,RNase-IによるRNA分解物より,penta-からheptanucleotideを調製し,各々をモデルの基質として,このヌクレアーゼを作用させた,続いて再分解物は,7M尿素DEAE-セルロースカラムにより分離し,脱塩後,アルカリ分解,ペーパークロマトグラフィーにより同定した.この結果,どのoligonucleotideの再分解物も,7M尿素DEAE-セルロースカラム(pH7.5)で,燐酸基による陰電荷順に6つのピークに分かれた.(-1)価に相当するピークはNpNであり,(-2)価のピークは少量のpNを含むが,大部分はNpNpNであり,いずれも5末端に由来するfragmentである.そして,これらを重ね合せることにより,5末端から3個までのヌクレオチド順列を確実に決めることができる.一方,(-5)価,(-6)価のピークはそれぞれ3末端から生じたpNpNpとpNpNpNpであり,やはり同様に3末端から3個までのヌクレオチドを決定することができる.また,(-3)価はpNpN,(-4)価はpNpとpNpNpNであり,このうちpNp以外は,元の基質の的部鎖に由来するものであり,アルカリ分解するか,このまま分解せずに分析することにより内部の塩基順列の確認,あるいは高級oligonucleotideの分析に役立つ.そして本法は単にoligonucleotideの分析だけでなく,5末端に燐酸基を持たない高分子の核酸であれば,5末端から3個までのヌクレオチド順列決定が可能である. (2)この酵素はpentanucleotideを,最初次のように分解した NpNpNpNpNp_??_NpN+pNpNpNp_??_NpNpN+pNpNp
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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添田 栄一
佐賀大学農学部
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武谷 立子
九州大学農学部
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向井 純一郎
九州大学農学部農芸化学教室
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阿久 根了
九州大学農学部農芸化学教室
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添田 栄一
佐賀大学農学部農芸化学教室
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武谷 立子
九州大学農学部農芸化学教室
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