乳酸菌を利用した発酵ソーセージの製造に関する基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
(1) スターター乳酸菌としてLactobacillus plantarum-4 (ST)(LP-4)とPediococcus cerevisiae-1 (Pc-1)を使用して,試験ソーセージを調製し,発酵中の乳酸菌数,ブドウ球菌数と保水性の変化を追跡した. (2) 試験ソーセージ中で増殖できるLp-4およびPc-1の最大数は2×108〜5×108 cells/gであった. (3) Lp-4, Pc-1はブドウ球菌の生育阻害効果を示し,とくにLp-4は107cells/g接種, 37°C, 20時間培養で99.99%以上の生育照害効果を示した. Pc-1の阻害効果はLp-4に比べ小さかったが, 0.4%ソルビン酸カリウムの添加で強化することができた. (4) 試験ソーセージのpHは乳酸菌接種量の増加に伴って低下し,また保水性はpHの低下に伴って減少した107cells/g接種では,培養6時間後にpH 5.3,保水性は約73%となった. (5) ブドウ球菌の抑制と保水性の維持の点から,基本的発酵条件としては,乳酸菌107cells/g接種, 37°C培養が適当であった.また,ソルビン酸カリウムの添加も一つの有効な手段と考えられた.
著者
関連論文
- 抗菌性乳酸菌スターターカルチャーを利用した味噌醸造 (平成12年度日本食品科学工学技術賞)
- 乳酸菌バクテリオシンによるバイオプリザベーションと味噌醸造への応用
- 乳酸菌の生産するバクテリオシンによるバイオプリザベーション(バイオミディア2000)
- 5.乳酸菌および乳酸菌バクテリオシンの食品加工への利用(乳酸菌の総合的産業利用に関する研究 : 平成10年度乳酸菌工学研究部会報告
- 低食塩漬物用の乳酸菌スターターカルチャーの開発
- 乳酸菌を利用したバイオプリザベーション(日本水産学会水産利用懇話会)
- 7.乳酸菌の生産するバクテリオシンと食品への利用(乳酸菌の総合的産業利用に関する研究 : 平成9年度乳酸菌工学研究部会報告)
- 乳酸菌あれこれ
- ニワトリ卵ZP3ホモログの分子構造および精子との相互作用
- レトルトかまぼこの品質改良に関する研究-II : レトルトかまぼこの硫化水素生成に及ぼす原料肉の影響
- 乳酸菌を利用した発酵ソーセージの製造に関する基礎的研究
- レトルトかまぼこの硫化水素生成に対する還元糖の抑制効果
- レトルトかまぼこの硫化水素生成に及ぼすSH基封鎖剤,酸化剤および還元剤の影響〔レトルトかまぼこの品質改良に関する研究-3-〕
- レトルトかまぼこの品質改良に関する研究-1-加熱条件がかまぼこの品質劣化におよぼす影響について
- 発酵ソ-セ-ジ中のStaphylococcus aureusの生育阻止について