液内培養によるアミラーゼの生産に就て : (第4報)糖化の伸びのよいAspergillus awamori var. fumeus 6321の特性とそのアルコール醗酵に對する應用
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概要
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1. Asp. oryzae 0-9-5とAsp. Usamii 1219のsubmerged amylaseによるアルコールの生産を実験室的に比較した.前者の醗酵率79.4%に対し後者は88.8%を示めしglucogenic enzymeの強力な1219の優秀性を認めた.但し醗酵時間は137hrs.の長期間に及ぶ. 2. 0-9-5は醸酵後非環元糖いわゆるresidual dextrinを多量に残すので,これを分解して糖化の伸びを良くする菌の選択を行い,Asp. Usamii 1219に勝るAsp. awamori var. fumeus 6321を得た. 3. 6321のsubmerged amylaseによるアルコールの生産を実験し醗酵時間72hrs,醗酵率92.4%の極めて優秀な成績を得た. 4. Submerged amylaseの添加方法に対しいわゆる段掛け式を検討し.又α-アミラーゼの強力なAsp. oryzae 0-9-5(又は0-10-4)にて先ずenzymateし後にglucogenic enzymeの強力なAsp. awamori var. fumeus 6321を添加する方法を試みたが,アルコール醗酵の結果は6321単独使用の場合が常に最高のアルコール収率を示めした. 5. Asp. awamori var. fumeus 6321は岡崎氏の麩麹浸出液に於ける酵素態度は氏のawamori型に完全に一致するが,液内培養酵素ではUsamii型に転移する.即ち菌種の相違によるアミラーゼ系の質的差異は本質的のものでなく,アミラーゼ生成過程中のpHの変化によつてかなり移動することが推察される. 終りに本研究費の一部は文部省科学研究費によることを附記する.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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