種子発芽時に於ける窒素代謝の研究 : (第１報)えんどう発芽時のアミド並びにアミノ酸の消長に就いて
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概要
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1) 暗所で発芽させた碗豆幼植物に於ては胚に著しいアミドの蓄積が見られ,その中アスパラギンがグルタミンよりも多い. 2) 子葉中のアスパラギンは蛋白態窒素に先立つて利用されるので,発芽初期には急激な減少が見られるがその後は殆んど変化がない.又グルタミンは子葉で発芽初期に合成されてやや増加し,丁度アスパラギンの減少と逆の関係にある. 3) 発芽時の遊離アミノ酸として約10個をクロマトグラフにより検出したが,全発芽過程で特に顕著に認められるのはtransaminationに関与したアスパラギン酸,グルタミン酸及びアラニンである. 4) 胚と子葉とではアスパラギン酸とグルタミン酸とが量的に逆の関係にあり,胚ではアスパラギン酸が多く子葉ではグルタミン酸が多い.両アミノ酸は何れも各器官に於て蓄積の傾向にあるアミドに対応している. 5) 暗所発芽後明所で生長させたものとそのまま暗所発芽を続けたものと比較して,以上に述べた結果と同じ傾向を認めることが出来た.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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