微生物によるアルギン酸の分解 : (第2報) Aerobacter aerogenes Y-11菌の呈するアルギナーゼ作用について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Aerobacter aerogenes Y-11菌の呈するアルギナーゼについて実験を行い次の様な諸性質を見た. (1) 本菌のアルギナーゼはアルギン酸の粘度を急激に低下するが還元力の増加は極めて徐々に漸増する. (2) ペーパークロマトグラフィにより生成物を検索したが,48時間に至って漸くoligouronideを認め, 144時間作用して僅かのマンヌロン酸の生成が認められた. (3) 粘度低下測定によるこの酵素の至適pH価は7.4〜7.6の間にあり,至適温度は45°である.70°に20分間保持すると完全に不活性化された. (4) この酵素はアワビの内臓及び海水細菌のアルギナーゼに見られる食塩添加による賦活作用は認められず阻害物質としては酷酸鉛,硫酸銅,硫酸アルミニウムを指摘した. 以上の諸点から,既知のアルギナーゼとは種々の点で異った性質を有することを認めた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- Aerobacter mannanolyticus INOUE et INOUEのマンナーゼについて
- Aerobacter mannanolyticus INOUE et INOUEの免疫血清の凝集反応試験
- 蒟蒻マンナン分解に関与するAerobacter群細菌について
- 蒟蒻マンナン分解に関与する腸内細菌に関する研究
- フラビン麹のビタミンB_2増強に関する研究
- 微生物によるアルギン酸の分解 : Aerobacter aerogense型Y-11菌によるアルギン酸分解とアルギナーゼの適応的生成
- 微生物によるアルギン酸の分解 : (第2報) Aerobacter aerogenes Y-11菌の呈するアルギナーゼ作用について