Penicillium chrysogenum Q 176によるフェニル酢酸の酸化的代謝に関する研究 : (第12報)p-ハイドロオキシフェニル酢酸代謝中間物質の分離および証明(その1)
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概要
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(1) Penicillium chrysogenum Q 176 homogentisic acid mutant によつてp-ハイドロオキシフェニル酢酸(pHPAA)から生成する代謝物質は二次的変化を受けてメラニン様物質を形成する. pHPAAを基質とする菌蓋培養においてビタミンCを併用し,pHPAAの代謝生成物質をそのまま集積させることに成功した. (2) pHPAAからはA, B 2種の代謝物質の生成する事実をペーパークロマトグラフィによつて確認した.これら代謝物質の示すRF値ならびにフェノール呈色反応を他のフェニル酢酸ハイドロオキシ誘導体のそれらと比較した. (3) pHPAAから生成するA, B 2種の代謝物質のうち, BはAにくらべて量的に多くこれを無色針状の結晶として単離した.この結晶は融点164〜5°を示し,その分子式は0.5分子の結晶水をもつトリハイドロオキシフェニル酢酸のそれと一致した. (4) 物質Bをメチル化して融点86〜7°を示すトリメチル誘導体を得,かつこのものが2, 4, 5-トリメトオキシフェニル酢酸と全く一致することを認め,物質Bの構造を2, 4, 5-トリハイドロオキシフェニル酢酸と決定することに成功した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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