グラジオラスのBlindに関する研究所 (第6報) : 肥料処理ガグラジオラスの開花におよぼす影響
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概要
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1. グラジオラスの栄養とBlind発生との関係を明らかにするために,Spotlightの成球を用いて砂耕し,N, P, Kの施用割合を種々変えて実験した。 2. Nの入らなかつた区およびその他に少数のB1indが発生したが,開花率はいずれも80%以上で,各区間の有意差は認められなかつた。また草丈,葉数,小花数,仔球生体重についても有意差は認められなかつた。 3. 平均開花日はN200または100ppmとP 50ppmとが組合わされた場合に早く,Nの入らない場合に遅れた。 4. N 50ppm区または-N区では,葉は帯黄緑色を呈し,花茎は細く,葉の幅は狭く,明らかにN欠乏の徴候が認められた。しかしN200ppm区では,葉は濃緑色を呈し,花茎太く,葉の幅も広かつたが,根は黒褐色となつて生気なく,仔球の着生数が極度に減少したことなどから,濃度が高過ぎたと思われる。 5. 地上部生体重,球茎生体重は共にNの入らない区に小さく,Nの濃度の増加に伴なつて増加した。しかしN単独では濃度の増加と共に減少した。 6. 仔球数はNの濃度があまり高くない区に多かつた。仔球重には処理の差異が認められなかつた。 7. Nの吸収量はP, Kの濃度に拘わらず独立して与えられたNの濃度に比例した。しかしPおよびKの吸収量はNとの相互関係によつて,必ずしも一定の方向を示さなかつた。概してPの濃度が高まると,Pの吸収量ばかりでなく,Nの吸収量も増大した。 8. 以上のことからグラジオラスの開花には,Nが強く関係するものと思われ,その濃度は100ppmが適当と考えられる。またPの効果は明らかであったが,Kの効果は明らかでなかつた。
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