トマト育苗中の温度管理に関する研究 (第3報) : 花芽と栄養体の相対生長に及ぼす温度および施肥量の影響
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概要
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生殖生長 (R/T) を栄養生長に対する生殖生長 (R/V) の関係と栄養生長 (V/T) との2要素の積として表わし栄養生長との関連の下でトマトの生殖生長を考察した。生殖生長と栄養生長の尺度として, それぞれ花芽の直径および苗の乾物重を用いたが, いずれも日数に対し対数的な増加をすることが認められ, この両者の対数値を直角座標に図示すると直線関係がえられた。これらの関係を用いて2要素に対する育苗温度と床土施肥量の影響を調査した。夜冷は高温よりも栄養生長量の小さい段階で各花房の花芽分化を起すことによりR/Vを高める反面, 発芽後の初期生長をおさえV/Tを低下した。多肥では少肥, 中肥に比して下位花房の花芽分化がより大きな栄養生長の段階で始まることによりR/Vが低下するとともに, 初期生長の遅れによりV/Tも低下した。温度と施肥量との間に交互作用が認められ, 夜冷の効果は中肥で最も大きく, 多肥では減少した。分化後の花芽の生長は一般に栄養生長の2倍の速度で夜冷では花房間に大差なかつたが, 高温での花芽の生長は上位花房ほど速く, 第3花房では栄養生長の3倍にまで達した。定植後の生育は育苗時の苗の性質と平行的であり, 夜冷中肥区が生育全期を通じて最もすぐれた結果を示した。
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