花こう岩系土壌におけるブドウの施肥試験 (第3報) : 接穂および台木の種類とリン酸の肥効について

概要

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一般に瀬戸内海沿岸地方の花こう岩系土壌ではリン酸が極度に欠乏しがちである。本実験はブドウの接穂品種ならびに台木の種類の相違とリン酸の肥効との関係を主に鉢植試験により調査したものである。1. キャンベル•アーリー, マスカット•ベリーA, ネオマスカット, およびデラウェアの挿木苗では, いずれも無リン酸区の生長は, リン酸区に比べて劣つた。同じような傾向は, 台木のイブリッド•フラン, テレキ8B, 3306, 3309, および420-Aの挿木苗においてもみとめられた。ただし, イブリッド•フラン台木ではその傾向が他の台木ほどにいちじるしくなかつた。2. 各種の台木に接いだデラウェアについての調査では, 無リン酸による生長量の低下はテレキ8B台でもつとも強く, イブリッド•フラン台ではもつとも軽かつた。ただし, 樹体の乾物1g当たりのリン酸含量は, 台木の種類のいかんにかかわらず無リン酸区ではリン酸区よりもいちじるしく劣つたが, 生長量の低下の程度との間には一定の関係がなかつた。
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