果樹の亜硫酸ガスによる煙害 (第3報) : カンキツの落葉に及ぼす亜硫酸ガスのくん蒸とボルドー液散布の影響
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概要
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1. カンキツ樹の落葉に及ぼすボルドー液の散布と亜硫酸ガスのくん蒸処理の影響を明らかにするために, 鉢植えの温州ミカンおよびハッサクを供試し, ボルドー液(6-6式)散布後, 13日間, 毎日2時間ずつ0, 1, 5ppmのSO2のくん蒸処理を行なつた。その間, 7日目から3日間は毎日くん蒸処理直前に降雨のかわりとして, 葉に散水した。2. 温州ミカンは, SO2の単独処理によつてもたやすく落葉したが, 処理前にボルドー液を散布しておくと, 落葉がいつそう助長された。ただし, SO2とボルドー液との相乗作用は統計的に有意でなかつた。これに対し, ハッサクは, SO2の単独処理によつてたやすく落葉しなかつたが, 処理前にボルドー液を散布しておくとやはり落葉が著しく助長された。3. これらの場合, いずれの種類においても, SO2の処理濃度の上昇に伴つて, 葉中のCu含量が増加し, 落葉歩合は高くなつた。ただし, 温州ミカンの成木についての調査ではボルドー液の散布により葉中のCu含量は増加したが, 落葉との間には密接な関係がなかつた。したがつて, ボルドー液の散布直後のSO2のくん蒸によつて落葉の助長されたのは, SO2の直接的な毒作用に, それによるCuの遊離化という間接的な作用が加わつたものと思われる。
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