本州および四国地方における温州ミカン異常落葉の調査
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概要
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本州ならびに四国地方において温州ミカンの異常落葉と呼ばれている症状が, 長崎あるいは熊本など九州における異常落葉と同一のものかどうかを明らかにするため, 1965年3月, 現地調査を行ない, つぎのような結果を得た。1. 本州ならびに四国地方においても, 長崎あるいは熊本など九州における異常落葉と同一の症状がみられる。2. 異常落葉園では葉中のマンガン含量が高く, 発現のレベルは80〜100ppm程度と考えられる。3. この異常落葉以外に, コクハン病, オウハン病, あるいは寒害による落葉までも, この異常落葉と混同されている例があり, このようなことが異常落葉についての概念を混乱させているものと思われる。4. マンガンの過剰吸収のおもな原因と考えられる土壌の水溶性マンガンはpHと関連が深く, とくに, 易還元性マンガン含量の高い土壌においては両者の対数変換値の間に高い相関関係がみられる。5. 本調査においては, 異常落葉と土壌の酸性, あるいは水溶性マンガンとの関連を明らかにすることはできなかつた。これは, 土壌の酸性や水溶性マンガン含量が異常落葉の発生した当時とは変わつたためと思われる。
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