温州ミカン異常落葉園の再調査
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概要
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いわゆる温州ミカンの異常落葉の最近における実態を知るため, 1961年に調査を行なつた園について, 5年後の1966年に再び同様な調査を行ない, 次のような結果を得た。1. 症状については, 1964年ごろから回復に向い, 最近では, 落葉, 斑点の発現, 根の腐敗などは著しく減少している。2. 異常落葉園においては, 葉中のマンガン含量が低下し, また, 土壌pHの上昇, y1の減少が認められるが健全園に比較すれば, まだ葉中マンガン含量が高く, 下層土の酸性も強い。3. 異常落葉園においては, チッソ施用量の減少, 石灰施用量の増加が認められ, これらの対策が, 症状の軽減, 土壌酸性の矯正に役立つていると考えられる。4. 土壌中の水溶性マンガン含量は土壌のpHと関連が深く, 易還元性マンガン含量の高い土壌では, 両者の対数変換値の間に負の相関関係が認められる。5. 前回の調査において明らかにされた, 異常落葉, あるいは葉中マンガン含量と土壌の酸性, 水溶性マンガン含量などの相互関係は今回の調査では不明瞭になつていることがわかつた。したがつて, この種の調査では調査の時点が重要な意義を有するものと思われる。
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