薬剤によるモモの摘果 (第2報) : ピーチシンの散布時期ならびに散布時刻と摘果効果について
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概要
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ピーチシンによるモモの摘果について, 1962年より1966年にいたる試験の結果をまとめた。1. 1962年13年生白鳳4樹を用い, 1本の樹の中に対照区と, ピーチシン200ppmを蕾時, 開花時, 開花後5日, 開花後10日に散布した区, ならびに800ppmを同じく上記の時期別に散布した区を設けた。供試花はすべて同一ステージにあるようそろえた。袋掛け直前の調査によると, 最も落果の多いのは, 10日後散布で, ついで開花時散布, 5日後散布, 蕾時散布の順に落果が少なかつた。200ppm, 800ppm両濃度の散布区とも同じ傾向にあつたが, 800ppmのほうが落果が多かつた。散布時期がおそくなるほど, また濃度の高いものほど, 多くの薬害を認めた。2. 1963年同じ樹を用い, 散布濃度を200ppmのみとして, 1本の樹の中に開花時散布区, 2日後散布区, 6日後散布区, 10日後散布区を設けた。摘果効果は6日後散布区が最も少なく, 開花時, 2日後, 10日後散布区はいずれもほぼ同程度であつた。3. 1964年前と同じ樹を供試し, 散布濃度を200ppmとし, 開花後4日散布区, 7日後散布区, 11日後散布区を設けた。摘果効果は, 4日後散布, 7日後散布, 11日後散布の順に少なくなつた。4. 3か年の結果から, 開花時散布, 開花後2日散布では摘果効果に差なく, 以後日数がたつにしたがつて, 摘果効果が少なくなると推察している。実用的な散布時期からはずれているが, 10〜11日後散布の摘果効果は変異が大きかつた。5. 1965年8年生白鳳, 7年生大久保, 1966年4年生, れ-13を用いて, 気温の低い湿度の高い早朝と, その対照としての日中に, それぞれピーチシン200ppmを散布し, また無散布の対照区を作り, 散布時刻の違いによる摘果効果の差を調べた。満開後25日ごろの結実歩合で比較すると, 大久保では早朝散布のほうが摘果効果が高かつた。白鳳, れ-13では, 日中散布, 早朝散布の間に有意差がなかつた。
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