薬剤によるモモの摘果 (第4報) : 樹齢の異なる樹に対するピーチシンの摘果効果
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概要
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1. モモ白鳳について, 12年生〜16年生 (1961年〜1965年), 4年生〜7年生 (1962年〜1965年), 4年生〜6年生 (1967年〜1969年) に至るそれぞれの樹について, ピーチシンの摘果効果を調査した。ピーチシン処理については, 200ppm溶液1回散布を各年次のすべてにとり入れ, 他に200ppm溶液2回散布か400ppm溶液1回散布のいずれかの区を加え, 対照区 (無散布) との結実歩合を比較した。ピーチシン散布日は1回散布で満開後2日〜3日, 2回散布は満開後2日, 4日とし, 結果の判定は満用後25日ころの結実歩合で行なつた。2. ピーチシン200ppm溶液1回散布に用いられた4年生樹では対照区の結実歩合は低く, 樹による相違も甚だしかつた。これらの樹はピーチシンによりとくに強く摘果された。5年生樹では結実が安定し, 5年生以後16年生に至るまでの間では, 対照区の結実歩合の高い樹では, ピーチシンによる落果が少なく, 満開後25日ころの対照区の結実歩合とピーチシン散布区の結実歩合との間の相関比は0.519でかなり高い相関が認められた。12年生〜16年生の成木のみでは, 両区間の相関係数はr=+0.781であつた。3. ピーチシン200ppm溶液2回散布, 400ppm溶液1回散布については, 試験成績が少ないので樹齢と摘果効果の関係を明らかにすることはできなかつたが, 5年生以上の樹については200ppm溶液1回散布と同様, 対照区の結実歩合とピーチシン散布区の結実歩合の間に高い相関が認められた(200ppm溶液2回散布r=+0.644, 400ppm溶液1回散布r=+0.515)。また200ppm溶液1回散布の場合と異なり, 各年次別に相関を求めたところ, さらに高い相関が得られた (200ppm溶液2回散布1962年r=+0.996, 1963年r=+0.748, 1969年r=+0.951, 400ppm溶液1回散布1961年r=+0.415, 1962年r=+0.988, 1964年r=+0.868, 1965年r=+0.651)。
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