薬剤によるモモの摘果 (第3報) : 秋の摘葉および強剪定がピーチシンの摘果効果に及ぼす影響
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概要
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1. 1963年当時10年生白鳳3樹, 同じく14年生白鳳3樹を用い, 同じ樹を1963年より1965年までの3年間,1965年にはさらに16年生樹4樹を加えて, ピーチシンによる摘果試験を行なつた。10年生樹については各樹とも前年の9月下旬あるいは10月中旬に樹の半分を摘葉し, 翌春満開後2〜3日にピーチシン200ppm溶液を, 摘葉部分, 放任部分にそれぞれ散布した。14年生樹については, 摘葉を行なわず, 満開後2〜3日にピーチシン200ppm溶液を散布した。3年間の結果をとりまとめると, 対照 (無散布) 区の結実歩合は無摘葉樹で82.1%, 摘葉樹で摘葉部分78.1%, 放任部分77.1%と, 摘葉樹と無摘葉樹間でほとんど差がなかつた。ピーチシン散布区においては, 無摘葉樹72.8%に対して, 摘葉樹放任部分49.1%, 摘葉部分46.3%と摘葉樹の結実歩合が低く, 摘葉樹はピーチシンにより強く摘果された。一方, 摘葉樹内においては, 対照区について放任部分, 摘葉部分ほぼ同じ結実歩合を示した。ピーチシン散布区についても摘葉部分, 放任部分ほぼ同じで, 樹を半分摘葉した場合には, 摘葉, 放任両部分間に摘果効果の差はなかつた。2. 6年生 (1964年当時) 白鳳6樹のうち3樹を強く剪定し, 他の3樹には中程度の剪定を行ない, 各樹にピーチシン200ppm, 400ppm溶液を散布した。2年間の成績をまとめると対照区では, 中剪定樹の結実歩合73.4%, 強剪定樹67.3%と強い剪定により結実歩合が低下した。ピーチシン散布区においても, 200ppmで中剪定樹57.0%, 強剪定樹46.3%, 400ppmで中剪定樹48.9%, 強剪定樹36.1%と強剪定樹は結実歩合が低くなつた。ピーチシンによる摘果効果は, 強剪定により対照区の結実歩合が低下したのに対応してピーチシン散布区の結実歩合も低くなつたものと推定される。
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