果実とそ菜の保存に関する研究 (第3報) : CAチャンバー内の酸素ならびに炭酸ガス濃度を一定に保持する実験室的方法について

概要

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1. 変形大気中の酸素分圧と水の溶存酸素量の関係を調べた結果, 酸素分圧の低い大気下の水ほど溶存酸素量が少ないとの知見より, 通常の水を酸素分圧の低い大気にさらすとその溶存酸素の一部を関係する大気に放出する。2. 変形大気中の炭酸ガス分圧と水の溶存炭酸ガス量の関係を検討した結果, 炭酸ガス分圧の高い大気下の水ほど炭酸ガスを多く含むので, 通常の水を炭酸ガス分圧の高い大気に接触させると大気中の炭酸ガスが水に溶け込む。3. 1, 2の知見にもとづいて造つた本装置のチャンバーに青果物を入れ, 呼吸を抑制する程度の低酸素状態にした後, 貯蔵大気を循環しながら水と接触させると, 呼吸で消費された酸素が水から補給される一方発生する炭酸ガスが除去され, チャンバー内大気の酸素, 炭酸ガス濃度を一定に保持することが可能である。4. 本装置にナスを供試して, 酸素, 炭酸ガスをそれぞれ8±1%:1±0.5%, 5±1%:2±0.5%に維持するよう設定したところ, ガスレベルの保持がよく行なわれ, また, 3週間後のナスの品質も良好であつた。
園芸学会の論文