ブドウ•デラウェア種のGA前処理へのBAおよび尿素の加用が着果および果粒の発育に及ぼす影響(第1報) : とくに果粒肥大の促進について
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概要
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ブドウ•デラウェア種のGA処理無核果の着果および果粒の肥大を促進する目的で, 前処理へのBAおよび尿素の単独加用あるいは両者の併用の効果を, 1970年, 71年は露地, 72年は露地およびハウスの成木を用いて調べた. BAは100あるいは200PPm, 尿素は0.5%で加用した. なお, 前処理は満開前14〜12日(露地)および満開前9日(ハウス)に, 後処理はいずれの実験でも満開後10日に行なつた. GA濃度はすべて100ppmとした.1. 収穫時の調査(1970〜1972)無核果率はこれらの加用処理に関係なく, いずれの実験においても98%以上であつた.BAの加用はGA単用にくらべ, 房重を有意に増加した場合が多く, 一房当たりの着粒数の増加がその主因であつた.尿素の加用は着粒数, 粒重, したがつて房重を各年次の実験で増加する傾向を示したが, 有意差はなかつた.BAおよび尿素の併用はBA単独加用とくらべ, 着粒促進効果ではとくに相違はなかつたが, 果粒の肥大促進効果は顕著で, 両者が相助的に作用していることが認められた.なお, これらの結果において, BA濃度(100および200ppm)の影響は明らかでなかつた. さらにBAあるいは尿素の単独加用および両者の併用のいずれも, 果汁中の可溶性固形物, 遊離酸含量, および果色に対し有意な影響を与えなかつた.2. 前処理より開花着果期に至る期間の調査(1971〜1972)BAおよび尿素の加用とくに両者の併用は, この期間の花(果)房および果粒の発育を顕著に促進した. 果粒の形態学的観察より, これらのいずれの処理も果肉柔細胞の分裂には有意な影響を与えず, その容積拡大がとくに両者の併用により促進されることが分つた.さらにこの期間の花(果)房中のクロロフィール, 花らい(果粒)中のタンパク-Nなどの量的推移より, BAおよび尿素の加用とくに両者の併用が, これらの組織のタンパク代謝に促進的に作用していることが推察された.
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