異なる温度での白肉桃の追熟生理
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概要
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白肉桃 (大久保および白鳳) を10°C, 15°C, 20°C, 25°C, 30°Cの各温度で追熟し, 呼吸量, エチレン排出量, 硬度, はく皮性, 糖分, 食味などを調査して, モモの追熟生理を検討した.1. 大久保の20°Cでは, 25°Cよりエチレン排出量が速く増加してピークも高く, 呼吸量もピークに早く達し, はく皮も早く可能になつたが, 軟化は25°Cもほぼ同様に進んだ. 20°C, 25°Cでは, 呼吸のピークの2〜3日後にエチレン排出量がピークに達し, その後急速に減少した. 呼吸のピーク時の熟度は20°Cが適熟, 25°Cは過熟であつた.2. 白鳳では1日後のエチレン排出量が大久保より多く, 軟化は速く進んだ. 25°Cでは, 20°Cより呼吸量が早くピークに達し, 軟化も速く進んだが, エチレン排出量は20°Cもほぼ同様に増加した.3. 10°C, 15°Cでは, 呼吸量, エチレン排出量がゆるやかに増加し, 軟化は穏やかに進み, はく皮性の進行もかなり遅れた. 大久保の10°C, 15°Cではエチレン排出量, 軟化, はく皮性が25°Cとほぼ同じ状態まで達したが, 10°Cではフレーバーが劣つた. 大久保の15°Cでは, 呼吸のピーク時からエチレン排出量が減少するまでの期間が, 25°Cと異なり長かつた. 適熟に達するまでの追熟期間は, 25°Cと比べて, 10°Cでは約3倍, 15°Cは約2倍であつた.4. 30°Cではエチレン排出量が抑制されて, 減少する傾向が認められた. 呼吸量の増加はほとんど認められなかつたが, 軟化は白鳳では25°Cと同様に速く, 大久保では2〜3日後まで25°Cよりやや遅れたが, その後は速く進んだ.5. 30°Cでは還元糖は漸増した. 水溶性ペクチン含量は軟化の進行とともに増加し, 硬度と密接に関連した.6. 以上の結果から, 追熟温度は果肉の色, エチレン排出量, 軟化の速さなどに影響を及ぼし, エチレンは呼吸の climacteric, 軟化, はく皮性の進行などを促進した. 呼吸量, エチレン排出量, 軟化, はく皮性などは追熟中相互に関連しながら進んだが, これらの相互関係は品種, 追熟温度により影響を受けることが認められた.
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