リンゴ果実の成熟 : (第1報)成熟期の呼吸量, エチレン排出量および内部エチレン濃度の変化
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概要
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リンゴ (“ゴールデン•デリシャス”, “スターキング•デリシャス”および“ふじ”) における熟度判定の基礎資料を得るため, 成熟期に7〜14日間隔で4〜6回収穫し, 収穫1日後から7〜20日後までの呼吸量, エチレン排出量および内部エチレン濃度を測定した.1. 呼吸量の増加は, 収穫時期が遅くなるほど収穫後早く始まるようになった. 収穫時期が遅い“ゴールデン•デリシャス”および“スターキング•デリシャス”は,収穫1日後の呼吸量が多くなるとともに, その後の呼吸量も増加が続き, もっとも遅い収穫果は収穫時に climactericpeak 付近の段階に達した. 一方, 収穫時期が遅い“ふじ”では, 収穫1日後の呼吸量は多くなったが, その後は呼吸量が一時減少してから増加した. ただし, 収穫後の増加は次第に小さくなり, もっとも遅い収穫果は呼吸量の増加がみられなかった.2. エチレン排出量の増加は climacteric rise 時に認められた. ただし, “ふじ”は収穫時期が遅くなると,エチレン排出量が増加してから呼吸量の増加が始まるようになり, もっとも遅い収穫果はエチレン排出量が増加しても呼吸量の増加はみられなかった.3. 内部エチレン濃度の急上昇は, 収穫時期が遅くなるほど収穫後早く始まるようになり, 収穫時期が遅い“ゴールデン•デリシャス”および“スターキング•デリシャス”は, 収穫1日後の内部エチレン濃度が高くなった. 一方, “ふじ”は収穫時期が遅くなっても, 収穫1日後の内部エチレン濃度は上昇が徐々で, 内部エチレン濃度の急上昇は大部分の果実でその後に起きた.4. 以上の結果から, 内部エチレン濃度は, 成熟期に果実のエチレン生成が著しく増大するとともに急上昇し,熟度判定の指標とすることができると考えられる.
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