GA3およびエセホンが温州ミカン果皮内ABA含量ならびにペルオキシダーゼ活性に及ぼす影響
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概要
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温州ミカンの着色始期にジベレリン(GA3)ならびにエセホン各100ppmを用いて果実を浸浸処理し, 果皮内アブサイシン酸(ABA)含量およびペルオキシダーゼ活性とそのアイソザイムについて分析を行なった.その結果, 果皮フラベド内ABA含量は, 着色始期以後急激に増加し, とくに, 収穫直後の増加量は著しく大となり, それ以後貯蔵期間中は減少の傾向を示した. 一方, 収穫期以後も樹上に残した果実においても, 収穫果と同様な傾向を示したが, ABA増加の程度は収穫果に比べて著しく低かった. GA3処理果はABAの増加が著しく抑制され, エセホン処理果は処理直後からABA含量の急激な増加がみられた.フラベド内ペルオキシダーゼ活性は着色始期から急激に減少し, 収穫期以後にほぼ一定となった. GA3処理は活性の減少を抑制し, エセホンは促進する傾向を示した. 果実発育最盛期には15のバンドが検出されたペルオキシダーゼアイソザイムは, 果実の成熟に伴って染色度は低下し, 数も減少した. しかし, GA3処理果では新らしいアイソザイムが現われ, 収穫期における染色度も発育最盛期のものと変らなかった. エセホン処理果では無処理果よりも染色が薄かった.アルベドはフラベドに比べてペルオキシダーゼ活性も低く, アイソザイム数も少なく, 収穫期以後には全部消失した.
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