ミカン樹に対するリン酸の樹幹注入法について
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概要
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14年生のウンシュウミカン樹を使って, リンゲル方式 (第1図) あるいは加圧方式 (第2図) と名づけたリン酸の樹幹注入法を検討した.1. リンゲル方式では, その処理を30日間継続した場合でも取り込まれた0.1M-KH232PO4溶液の量は1樹当たり平均して60mlにすぎなかった. 5kg/cm2の圧を加えた32P利用の加圧方式では3日間で0.1M-KH232PO4溶液が520ml,10kg/cm2の圧を加えた圃場試験では0.2M-KH2PO4溶液が750〜1,000ml取り込まれた.2. 幹に0.1M-KH232PO4溶液を5kg/cm2の圧で3日間注入したところ, 1週間後における葉のリン酸濃度は64%増加した. このとき, 果肉のリン酸濃度は7%しか増加していなかったが, 8週間後になると葉のリン酸濃度は43%の増加にとどまっており, 果肉のそれは19%にまで増加していた.3. 幹に0.2M-KH2PO4溶液を10kg/cm2の圧で約1日注入したところ, 1〜2週間後の葉中リン酸濃度は平均113%増加した.
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