パイナップルにおける油脂被膜カーバイドによる花芽誘導効果
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概要
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パイナップルの花芽誘導剤として使用しているアセチレン混合液による花芽誘導効果は処理日による変動が大きい. これはパイナップル芯部に投入したアセチレンの拡散が気温及び風速によって直接的に影響されることに起因しているものと考えられる. そこで, 筆者らはカーバイドの水との反応を抑制するために, 油脂被膜カーバイドの調製法を考案した.油脂被膜カーバイドの調製法は, 大豆油 (330g) を220〜250°Cに加熱し, カーバイド (直径1〜3mm) 1kgを入れ, 10〜15分かく拌する. その後, 薄く広げ40〜60分適宜かく拌しながら冷却する.カーバイド粒の表面に付着した油脂は急速に乾燥固化する. このようにして調製した油脂被膜カーバイドは油脂被膜が水に離脱した後にアセチレンを発生するため,アセチレン発生が緩慢に行われる. すなわち水を注入した場合は1時間後にアセチレンの発生が認められ, 全量のカーバイドが反応するのに8時間を要した.誘導的自然条件下にある低温期と非誘導的自然条件下にある高温期に油脂被膜カーバイドとアセチレン混合液による花芽誘導効果を比較すると, いずれの時期においても油脂被膜カーバイドは高い花芽誘導効果を示し, 処理日による変動も小さかった.
- 園芸学会の論文
著者
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仲宗根 福則
沖縄農研名護支所
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仲宗根 福則
沖縄県農業試験場八重山支場
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池宮 秀和
沖縄県農業試験場名護支場
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池宮 秀和
沖縄農研名護支所
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小那覇 安優
沖縄県農業試験場名護支場
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仲宗根 福則
沖縄県農業試験場名護支場
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