リンゴの早期落果に関与する気象要因の解析と栽培管理
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概要
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秋田県北部において1978年にリンゴ, ‘スターキング•デリシャス’を中心として‘陸奥’, ‘レッド•ゴールド’などに激しい早期落果のみられたその気象状況を検討し, 1979〜1985年の気象条件と早期落果率との関係を統計的に相関及び単, 重回帰解析することにより, 早期落果に関与する気象要因を明らかにしようとした.1978年は満開36日後以降に落果が多発し, その気象状況は満開31日後以降, 最高及び最低気温が平年 (過去10年間の平均) を大きく上回り, また満開後27〜38日に日照時間が少なく降水量の多かったことが特徴的である. 一方, 1979年から1985年までの早期落果率は満開後30日前後の気象条件と関係が深く, なかでも満開後28〜34日の最低気温, 日照時間及び降水量から早期落果率を回帰する重回帰式が得られた. これらより, 特に最低気温が高く日照時間が少ないと落果を助長することが明らかとなった.個々の樹に対する栽培管理と落果率との関係については, 頂端新梢の伸長量の定期的な測定と葉内無機成分の分析により樹の樹勢を知る手段とし, 樹勢が強すぎたり, また逆に弱すぎても落果が助長され, 新梢伸長量と密接に関係していた. このことは強せん定を行った樹についても観察され, 強せん定は新梢伸長をおう盛にし落果を増加させた.
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