夜間高温および遮光がリンゴ‘スターキング•デリシャス’の早期落果に及ぼす影響

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‘スターキング•デリシャス’を用い, 前報にもとづき早期落果の程度を助長する気象条件について調査した. 満開後20日, 27日および34日から開始した夜間高温処理を, また, 満開後20日, 27日, 34日および41日の各々から開始した遮光処理を, それぞれ4日間づつ同時間処理し, 果実の落果率や肥大度, 新梢伸長などに及ぼす影響を調査した. また, AVG散布の果実落果に及ぼす影響についても検討した.夜間高温処理は, 果実肥大および新梢伸長を増加させた. しかしながら, 満開27日後, 34日後からの処理は果実落果を増加させ, 特に満開27日後からの処理の影響が大きかった. 一方, 遮光処理は, 満開20日後, 27日後および34日後からの処理が落果を誘発し, 処理開始とともに果実肥大を抑制した. 果実あたりの糖含量は, 遮光処理下の果実, 肥大の停止した果実および果梗の黄変した果実で低かった.果重あたりのエチレン発生量および呼吸量は, 生育のステージが早いほど, また温度が高いほど多くなった. AVG散布は果実からのエチレン発生を抑制し, 夜間高温処理下では落果率を減少させた. しかしながら, 遮光処理下ではその効果は低かった.このようなことから, 夜間高温処理下における落果は栄養生長および呼吸の増加により養分が消費されたことに加え, 高温によるエチレン発生が落果に影響を及ぼしたものと推察される. また遮光処理下では, 果実への光合成産物の供給の減少が最も大きく影響したと考えられた.
園芸学会の論文

夜間高温および遮光がリンゴ‘スターキング•デリシャス’の早期落果に及ぼす影響

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