ヒメサユリ培養子球の休眠打破に及ぼす低温及びGA3処理の効果
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概要
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試験管内で培養したヒメサユリ子球の移植後の生育を確実に行う方法を確立するため, 150〜300lx, 24±1°Cで培養したヒメサユリ子球を用いて, 移植前の処理温度と期間及び種々の濃度のGA3溶液への浸漬処理の効果について調べた.(i) 試験管から取り出してそのまま移植したヒメサユリ子球は出葉せず, 子球の休眠打破には8°C以下の低温処理が必要であることがわかった.(ii) 4°C, 12週間低温処理した子球は移植後の栽培温度(15, 20, 25°C) にほとんど影響されず, 移植20日後にはすべての子球が出葉した. しかし処理期間が10週間以下の子球では, 出葉開始及び出葉率は移植後の栽培温度の影響を受けた. これらのことから, ヒメサユリ培養子球を移植する場合は, 4°Cで12週間以上の低温処理が必要であると結論された.(iii) 低温処理を全くしなかった子球及び短期間の4°C低温処理した子球を種々の濃度のGA3溶液に24時間浸漬したあと移植した. 250mg/l以上のGA3単独処理は子球の出葉に効果を示したが, 低温処理とGA3処理をした子球と比べ出葉開始は大幅に遅れ, GA3単独処理は低温による休眠打破効果を完全には代替出来ないことがわかった.(iv) 2週間以上低温処理したあと, 250または500mg/l GA3溶液に浸漬して移植した子球の平均出葉日は, 低温処理のみの子球と比べて早まった. また, 移植12週間後の子球生体重の増加率も, 12週間低温処理のみ行った子球と比べほぼ等しいかまさっていた. 以上のことから, ヒメサユリ培養子球の休眠打破に必要な低温処理期間はGA3浸漬処理を併用することにより大幅に短縮され, 子球の生長も促進されることが明らかとなった.
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