リンゴ果実のバナデート感受性 ATPase 活性に及ぼすビターピット発生の影響
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概要
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リンゴ樹を水耕栽培することによって人為的にビターピットを発生させた(5). ‘ふじ’のビターピット発生程度は, 果肉中のカルシウム濃度の減少と密接に関係していた.リンゴ果実のミクロゾーム画分にはバナジン酸ナトリウムで阻害され, 硝酸カリウムで阻害されない (K++Mg2+)-ATPase が存在した. また. 蛍光物質であるキナクリンを用いてプロトンの輸送活性を調べたところ,本ミクロゾーム画分に ATPase と同様の性質を持ったプロトン輸送活性が存在した. 即ち, リンゴ果実には原形質膜に由来するH+-ATPase が存在すると考えられた.ビターピット発生の重症果では, バナデート感受性ATPase 並びにプロトン輸送活性の著しい低下が認められた. このことから, ビターピットの発生する果実の原形質膜では, 正常な物質輸送を低下させるような変化を生じていることが推察された.
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