極早生ウンシュウの果汁成分特にリモノイド含量の成熟期における変化
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概要
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極早生ウンシュウの主要な5系統を供試し, 成熟期における糖•有機酸ならびにリモノイド含量の変化を調査し, これら果汁成分の成熟による推移を統計的に解析した.<BR>極早生ウンシュウ果実は, 慣行収穫以降も肥大生長を続け, 一部の系統では特に果皮歩合が高くなり, 浮き皮となるなどの特徴が認められた. 慣行収穫期における糖度は, 早生ウンシュウよりも低い系統が多いが, 収穫日を遅らせた場合にはほとんどの系統が早生ウンシュウと同程度まで上昇した. 糖組成では特にショ糖含量が急増し, その組成比も上昇した. 有機酸についてはその含量, 組成ともに, 成熟に伴って早生ウンシュウとほぼ同じ傾向で推移するが, 一部の系統では天然果汁の日本農林規格を下回る含有量まで減少する場合も認められた.<BR>極早生ウンシュウのリモノイド含量は, 慣行収穫期では早生ウンシュウよりも高い系統が多い. しかし, ほとんどの系統では収穫を遅らせることによってかなり減少することが確認された. したがって, 極早生ウンシュウの果汁成分は, 橋本早生など一部の系統を除くと早生ウンシュウと同様に収穫期を遅らせることにより, 糖度の上昇や酸の減少などの品質向上が見込まれることが示された.<BR>また, ノミリン/リモニン比の成熟期における変化の解析や, 果汁成分の主成分分析を行うことにより, 極早生ウンシュウのリモノイドの消長からみた分類や, 果汁加工適性の高い系統の選定を行える可能性も考えられた. さらに, 果汁成分の成熟時期における経時的な調査を系統ごとに行うことにより, リモノイド含量をクエン酸含量などから推定しうることを示した.
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