胚珠培養によるEutrema wasabiとArmoracia rusticanaの属間雑種の作出
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概要
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<I>E. wasabi</I> (高井, 2n=14) と<I>A. rusticana</I> (赤芽,2n=32) の正逆交配による雑種胚の発達と崩壊を組織学的に観察した. 交配後50時間での花粉管の伸長を蛍光顕微鏡で観察したところ, いずれの組み合わせとも, 花粉管は胚珠に達していた. <I>E. wasabi</I>×<I>A.rusticana</I>の場合, 交配後10日目から崩壊する雑種胚が徐々に増加し, 交配後30日での生存率は6.0%となった. これに対して, <I>A. rusticana</I>×<I>E. wasabi</I>では,雑種胚の発達は<I>E. wasabi</I>×<I>A. rusticana</I>に比べて遅く,また, 崩壊も著しく急速に進み, 交配後30日には生き残った雑種胚を含む胚珠はほとんど観察されなかった.<BR>胚珠培養にあたっては, 交配後, 10, 20および30日目の胚珠を培地に置床した. 培地はMS培地およびWhite培地を用いた. いずれの培地とも3%ショ糖と0.6g寒天を加え, pH5.8に調整した. 交配後20日目および30日目に置床した<I>E. wasabi</I>×<I>A. rusticana</I>由来の胚珠から, 合計14個体の植物体が得られた.しかし, <I>A. rusticana</I>×<I>E. wasabi</I>では植物体は得られなかった. また, 本実験で使用した材料の場合, MS培地がWhite培地より適しているように思われた.得られた植物体は根端細胞の染色体観察 (2n=23)とアイソザイム分析から, <I>E. wasabi</I>と<I>A. rusticana</I>の雑種であることが確認された.
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