温州蜜柑の連作に關する研究 (第1報)
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概要
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昭和14年4月園藝試驗場枳殼砧温州園表土及底土を供試し, 1年生枳殼砧温州苗を定植し, 連作の害に就て調査した。尚對稱として近接の桃園表土を供試し, 2年後の昭和16年2月掘取り調査を行つた。其の結果は次の樣である。1. 鉢植調査に依ると柑橘園跡土に柑橘苗を栽植したものは, 表土區•底土區共に桃園跡土に栽植したものに比べて, 地上部 (幹•枝•葉共) 及地下部 (主根部•細根部共) 共に發育不良であつた。柑橘園區中底土區は表土區よりは劣つて居たが, 其の差は明瞭ではなかつた。2. 地上部重量に對する地下部重量の割合は, 3區共大差は無かつた。3. 幹徑は此の範圍内では充分の差が認められなかつた。4. 栽植2年目の着花量は柑橘園表土區より桃園區は小であつた。桃園區は亦柑橘園底土區よりも小ではあつたが, 其の差は明瞭ではなく, 柑橘園兩區間の差も明瞭ではなかつた。5. 以上の結果からして, 柑橘を連作すると, 全園を改植しても尚跡地に何等の處理もなさなければ, 新植柑橘苗の發育は不育であると思はれる。
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