胡瓜に於ける果皮の色の褐變と果面の刺の色に關する遺傳
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概要
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1. 胡瓜の品種"白疣"及び系統"59-22"の兩種, 其び F1, F2, 劣性品種への戻し雜種及び F3 に就き, 果皮の色の褐變の如何及び果面の刺の色に關する遺傳を調査した。2. 白疣は果皮の色が褐變せず, 果面の刺は白色で, 59-22 は褐變し, 黒刺であつた。3. F1 に於ては褐變•黒刺が優性として發現した。4. F2 及び F3 に於ては常に褐變•黒刺及び不變•白刺の2表型のみを生じ, 且劣性型は20.50-21.56%であつた。5. F1×劣性型及び其の相反交配に於ても兩親型のみを分離し, 兩型の比は前者に於て59.69:40.31%, 後者に於て52.50:47.50%であつた。6. F2 及び戻し雜種に於ける劣性型の自殖又は相互交配による次代は凡て劣性型のみであつた。7. 以上の遺傳現象は, 果皮の色の褐變の如何と果面の刺の色とが, 單因子の manifold effect に因り, 且劣性因子を擔ふ雌性ガメートに凡そ17.0%の致死を伴ふものと推定する事に依て説明出來ると思ふ。
- 園芸学会の論文