粘膜部悪性黒色腫: 13例の臨床的および組織学的検討

概要

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東北大学皮膚科における103例の黒色腫のうち, 13例が粘膜および皮膚粘膜移行部に原発するものであった。口腔および外陰部がそれぞれ5例であり, 口腔では口唇部が3例, 歯肉原発例が2例みられた。そのほかの部位としては鼻腔2例, 食道部が1例である。biphasic growth patternのみられたものがほとんどであり, このうち色素斑の前駆の確認できたものが口腔例4例, 外陰部2例であった。その期間は外陰部の2例において, わずかに1ヵ月と4ヵ月ときわめて短いものであった。組織学的にはlentiginous typeの増殖を示したものが58%, 結節型23%, superficial spreading typeが15%であった。ほとんどの腫瘤がlevel IVないしVであり, 観察期間の短い3例を除いて10例が死亡している。平均生存期間は20ヵ月であった。粘膜部の黒色腫は臨床的, 組織学的組にもacral melanomaによく似ているが, しかしその予後はacral melanomaに比べてより悪いものであり, この点から両者は分けて扱うべきものと考える。