熱処理された牛血清アルブミン中の諸成分とオレンジIIとの相互作用

概要

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熱処理された牛血清アルブミン (BSA) と染料の相互作用は以前は, 熱処理されたBSA溶液そのものを用いて研究された。熱処理されたBSAは数種の成分から成ることが知られているので, 熱処理されたBSA溶液から単離された個々の成分と染料との相互作用を研究する必要がある。生のBSA単量体, 成分 (1), 成分 (2) を用い, これらのおのおのとオレンジIIの系につき分光光度法による測定をpH7.0, 25℃で行った。成分 (1) と (2) は, pH9, 65℃で60min熱処理されたBSA溶液から単離された。分光光度計によるデータを寺田-三宅の方法 [Kolloid Z.Z. Polym., 251,139 (1973)] で解析し, 結合パラメーターを決めた。生のBSA単量体に対し, n (染料に対するタンパク質の結合サイトの数) =6.4であり, K (結合系の平衡定数) =0.92×105M-1であった。成分 (1), (2) に対しては, BSA単量体の場合とは異なるnとKの値が得られた。
社団法人日本油化学会の論文