ボロン酸による<I>p</I>-ニトロフェニルD-グルコピラノシドの立体特異的加水分解に対するカチオンミセルの顕著な効果
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概要
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フェニルボロン酸 (PBA) 存在下での<I>p</I>-ニトロフェニルD-グルコピラノシドの加水分解反応系に, 臨界ミセル濃度以上の塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム (HTAC) を添加したところ, α-グルコシドの加水分解がその立体異性体であるβ-体よりも加速を受け, その結果α/β選択性も増大した。HTAC添加系の加水分解速度およびα/β選択性に及ぼすボロン酸の種類の効果を検討したところ, 親油性の高いボロン酸ほどより高い選択性を示した。すなわち, <I>p</I>-デシルオキシフェニルボロン酸 (C<SUB>10</SUB>PBA) が, 検討した中では最も高い加水分解選択性 (k<SUB>α</SUB>/k<SUB>β</SUB>=64) を示し, ミセル存在下では, 1mM C<SUB>10</SUB>PBAの添加時での加水分解選択性は, ミセル不在系で最高の加水分解選択性を示したメチルボロン酸添加系に匹敵した。
著者
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中辻 洋司
大阪大学大学院工学研究科
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木田 敏之
大阪大学大学院工学研究科分子化学専攻
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池田 功
大阪大学大学院工学研究科
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張 万斌
大阪大学大学院工学研究科分子化学専攻
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大江 猛
大阪大学大学院工学研究科分子化学専攻
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