魚油の乾燥性と改善に関する研究 (第1報) : 柔魚油の乾燥性
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概要
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低温エステル基交換, 脱ロウの操作によつて飽和酸含量の異なる柔魚油を調製し, その乾燥性を塗膜乾燥, 重合速度, 重合油の塗膜乾燥の面で亜麻仁油と比較しながら検討した。<BR>飽和酸10wt%以上の柔魚油は塗膜乾燥において完全に硬化乾燥を行わず粘着性を示し重合速度も亜麻仁油に劣る結果を示した。<BR>飽和酸10wt%以下の柔魚油は一旦は確かに硬化乾燥を行うが時間経過と共に粘着性を呈す。しかしその重合速度は亜麻仁油と同等もしくはそれ以上である。<BR>飽和酸10wt%以下の柔魚油の上記の不完全乾燥性は300℃熱重合によつて充分に改良されるので, 魚油の乾燥性の欠点には飽和酸含有のみが重大な影響を与えるのではなくてそれ以外の300℃熱重合によつて破壊され易い因子が介在するものと考えられる。<BR>この熱重合の改善効果は単なる二重結合による重合及び揮発性物質の逸散によるよりはむしろ重合以外の熱による化学変化に基づくものと思われる。
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