乳牛のボディコンディションスコアの変化と繁殖成績
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概要
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31牛群の乳牛158頭について分娩前後のボディコンデイションスコア(BCS)の変化が受胎に及ぼす影響を検討した。BCSは、5段階(1=やせすぎ、5=太りすぎ、0.25刻み)とし、分娩前20日以内、その後30日間隔で行ない、直腸検査で妊娠を確認するまで評価した。分娩前BCSを3段階に分類した場合(低い:≦3.00,中程度:3.25-3.75,高い:≧4.00)、そのBCSが高くなるにつれ、分娩後BCSが1.25以上低下する割合が有意に高くなった(p<0.05)。分娩後のBCSが1.25以上低下する乳牛は、0-1.0しか低下しない乳牛に比較して初回授精日数は有意に延長し(p<0.05)、空胎日数は延長する傾向を示した。授精前後にBCSが低下した乳牛は、上昇した乳牛に比較して有意に低い受胎率を示した(p<0.05)。以上、分娩前の高いBCSは、分娩後のBCSを著しく減少させ繁殖成績を低下させる可能性、さらに授精前後のBCS減少は、受胎率を低下させる可能性が示唆された。
- 日本家畜臨床学会の論文
著者
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阿部 榮
NOSAI山形家畜診療研修所
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渡辺 大作
NOSAI山形家畜診療研修所
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植松 正巳
NOSAI山形家畜診療研修所
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渡辺 大作
Nosai山形 家畜診療研修所
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斎藤 博水
Nosai山形家畜診療研修所
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阿部 榮
Nosai山形 家畜診療研修所
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植松 正巳
Nosai山形 中央家畜診療所
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植松 正巳
NOSAI山形
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