カドミウム投与ラットの小腸粘膜上皮細胞中のカドミウム結合蛋白質
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概要
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飲水とともにCd (100ppm) を1, 3, 6, 9, 32, 96日間継続投与したラットの小腸粘膜を剥ぎとり, その上清分画をゲルろ過し (G-75 Sephadex), 次の結果を得た。1) Cd経口投与により, 小腸管壁中にとり込まれたCdの大部分 (2/3) は, その粘膜にとり込まれたものであり, 粘膜内ではその2/3が細胞質中に分布していた。2) 剥ぎとった小腸粘膜上清分画を Sephadex G-75のカラムに添加すると, Cd投与1日群ですでに, elution factor 2.2 (分子量約8,700) の位置にCd peak がみられた。3) 肝臓および小腸粘膜の上清分画中のCdは同じ結合状態を示したが, 両Cd結合蛋白質誘導産生に log period の存在することより, 小腸粘膜上皮細胞内においてもCd結合蛋白質が誘導産生されることが示唆された。4) 小腸粘膜上皮細胞中に存在するCdの大部分は分子量約8,700の蛋白質と結合した状態で存在しており, 他の形体ではほとんどCdが存在しないことより, このCd結合蛋白質がCdの吸収に重要な役割をはたしていることが示唆された。
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