白指有症者の痛覚閾値
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概要
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振動に起因する障害の主所見には,手指の末端部の白指発作に代表される循環障害,神経障害などがある。循環機能の診断には,毛細管像,容積脈波,皮膚温,爪圧迫などの検査があげられ,一方,神経障害には,触覚,痛覚,振動感覚などの検査があげられる1)。しかし,これらの診断項目は,今なお,検討の段階ともいえる。<BR>振動病の所見に痛覚鈍麻がある。これは一般に手袋型,靴下型など四肢末端分布型にあらわれる多発性神経炎2)に由来するといわれている。しかしながら,実際には常温下安静時には,このような痛覚鈍麻がみられず,寒冷下で,はじめて少々の外傷も気づかないほど,痛覚鈍麻が生じるという振動作業者も多い。このような対象者に検診をすすめていく場合,痛覚の常温下測定とあわせ,寒冷下に相当する冷水負荷下の測定も必要となろう。それでは,その冷水負荷をどのように条件づけるべきか,また,その結果,痛覚は冷水負荷によってどのように変化するのかの検討が必要である。<BR>それらの点について,著者らは,山林チェンソー取扱者,特に白指有症者の痛覚閾値を中心に検討してみた。その結果,2, 3の知見をえたので,報告する。
- 日本衛生学会の論文
著者
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笠松 隆洋
和歌山県立医科大学公衆衛生学教室
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笠松 隆洋
和歌山県立医科大学 公衆衛
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岩田 弘敏
和歌山県立医科大学公衆衛生学教室
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井藤 典彦
和歌山県立医科大学公衆衛生学教室
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松本 健治
和歌山県立医科大学衛生学教室
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岩田 弘敏
和歌山県立医科大学公衆衛生
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松本 健治
和歌山県立医科大学公衆衛生学教室
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笠松 隆洋
和歌山県立医科大学
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