仮名文字習得困難をきたした言語発達遅滞例の1例 : ―漢字使用の意義について―
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概要
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言語発達遅滞から, 読字書字の困難を主とした学習障害に発展した1例を報告した.症例は13歳男児.妊娠, 分娩, 新生児期著変なし.運動発達は正常.幼児期前半は, 発語は少なく, 聴覚的理解も悪かった.学童期に入り, 読字書字が困難で学業が不振であった.11歳初診時, 知能は言語性と動作性で差があった (WISCでVIQ66, PIQ110) .仮名文字の読字書字に困難を示し, 音韻抽出能力にも問題があった.音韻と文字を対応させるかたちでの仮名文字訓練を行ったが, 習得が困難であったため, 表意文字である漢字の訓練に切り替えたところ習得が良好であった.本症例においては, 意志伝達手段の確立のために, 漢字を用いることが有効と思われた.
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