臭素-メタノール溶解による鋼中窒化アルミニウムの定量
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概要
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前報でBeeghly法で分析すると,窒化アルミニウム値は正誤差をあたえやすいことがわかったので,エステル-ハロゲン不溶残サから,窒素のみならずアルミニウムも定量することが望ましい.なお残サ中のみならず,エステル-ハロゲン溶解窒素およびアルミニウムも同時に定量できれば,従来までのように酸溶解窒素およびアルミニウム,酸不溶窒素およびアルミニウム,それにエステル-ハロゲン不溶窒素と別々の系統の処理で定量するよりは,正しいバランスが得られて好都合であると考えた.<BR>しかしエステル-ハロゲン溶液から求める場合,酢酸メチルの痕跡がネスラー発色を妨害するので,試料マトリクスの溶解には10%臭素-メタノール溶液を用いることとし,また窒素蒸留後の残液からひきつづきアルミニウムを分析する場合,従来までの常圧,100℃の蒸留をした後では,フラスコ壁からアルミニウムが溶け出して妨害するので,10mmHg前後に減圧して30℃前後で低温蒸留を行うこととした.このようにして,1gの鋼試料を臭素-メタノール処理し,その溶液と残サの両方からそれぞれ窒素とアルミニウムを連続的に定量して,それぞれのバランスを求めることができた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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