鉄(III)と共存する鉄(II)の1,10-フェナントロリン吸光光度定量法
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概要
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これまで主として全鉄の定量に用いられていた1,10-フェナントロリン吸光光度法を,多量の鉄(III)と共存したままで,微量の鉄(II)の定量に適用する方法を確立した.鉄(II)と共存する鉄(III)を,あらかじめEDTA滴定法で定量しておき,必要に応じて適宜希釈した試料溶液に0.2% 1,10-フェナントロリン10ml,次いで5%クエン酸水素二アンモニウム緩衝液10mlを加え,水を加えて全量を100mlとしてから,(20〜90)分後に,ほぼ同量の鉄(III)を含む空試験液を対照として,510nmで吸光測定する.本法によれば2000 μg(20 ppm)鉄(III)と共存する50μg(0.5 ppm)の鉄(II)を定量できた.又100μg程度のマンガン,カドミウム,銅,マグネシウム,スズ,鉛,亜鉛が共存しても,EDTAなどでマクスしないでも妨害なく鉄(II)を定量できた.定量下限は0.2 ppm,又鉄(III)1500μgを含有する実試料中の200μg前後の鉄(II)の定量における変動係数は約5%であった.
- 1978-08-05
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