メチレン青-ニトロベンゼン抽出法による微量硫黄の光度定量
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概要
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硫化物をパラアミノジメチルアニリンと反応させて,メチレン青を生成させそれをニトロベンゼンにより抽出して光度定量する方法を考案し検討した.<BR>パラアミノジメチルアニリンより生成したメチレン青のニトロベンゼン抽出液の吸収極大は670mμで,Beerの法則に従っており,抽出物は安定でその吸光度は数日問変化しない.<BR>試料中に硫化物以外に硫酸塩を含む場合は,その還元にスズ-強リン酸法を応用して定量する.<BR>応用として鉄,非鉄金属,および鉄鉱石などの硫黄の定量について述べた.<BR>微量硫黄の検出および定量法として,硫化水素とパラアミノジメチルアニリンを反応せしめ,いわゆるメチレン青を生成させる反応は古くはC. Lauth, C. LiebermannおよびW. Mecklenburg, F. Rosenkränzerらによって研究され,最近ではJ. K. Fogo, M. Popowskyら C. M. Jonson, H. Nishitaら,武者,岡,松尾ら, T. Kato, S. Takei, K. Ogasawaraらの報告が発表されている.これらの方法はいずれも水溶液において生成させたメチレン青を光度定量しているゆえ,チアジン系色素に見られる二量体イオンの生成およびメチレン青生成時の塩酸による会合体生成などの影響によるBeerの法則からの倚筒を避けることができない.著者らはメチレン青を有機溶媒を用いて抽出することにより,上述の影響を避けることが可能であること,および抽出により定量の感度が向上するであろうと考え,これを実験により確かめるとともに,微量硫黄の分析方法を確立するためにこの研究を行った.
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