EDTA滴定法によるフェライト中のニッケルの定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フェライト中のニッケルの定量方法には,陰イオン交換樹脂を使用してニッケルを分離後定量する方法,およびニッケルジメチルグリオキシムとして重量法により定量する方法などが知られている.著者らはフェライト中のニッケルを迅速に定量するため,ニッケルをジメチルグリオキシム塩となし他のイオンから分離後,EDTA溶液で滴定することを試みたが銅による妨害のため定量が困難であった.Classen, Bastingsらのニッケルジメチルグリオキシム生成時の銅の共沈殿防止方法は分析操作がかなり複雑であり,また,Bickerdikeの尿素の添加による均一沈殿法は,ニッケルジメチルグリオキシムの沈殿を生成するpHに到達するまでにかなり長時間を要するため,フェライト中のニッケルの定量には応用しにくい.なお,上述の銅の妨害を防ぐためマスキング剤としてチオ硫酸ナトリウムを添加すると,当量点における指示薬の変色が不明瞭となるため滴定が困難になった.<BR>そこで,著者らはインジウムイオンがチオ硫酸ナトリウムの存在下において1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール指示薬により酸性領域(pH2.5以上)において呈色し,EDTA溶液を添加すると当量点において鋭敏に変色することに着目し,インジウム標準液による逆滴定を試みた.
著者
関連論文
- 迅速鉄鋼ガス定量法 (II) : 鉄鋼中の水素定量法
- 迅速鉄鋼ガス定量法 (I) : 水素計
- EDTA滴定法によるフェライト中のニッケルの定量
- 吸光光度法による銅合金中の微量クロム定量法
- イオン選択性電極を用いたハロリン酸カルシウム中のフッ素および塩素の同時定量
- リンバナドモリブデン酸-メチルイソブチルケトン抽出によるリンの吸光光度定量
- メチレン青-ニトロベンゼン抽出法による微量硫黄の光度定量
- 過塩素酸-リン酸法によるクロムの定量Box-Wilson法による酸化条件の決定
- 高クロム鋼中の硫黄定量に用いるリン酸中に混在する硫酸の妨害除去
- ジメチルグリオキシム-クロロホルム抽出-吸光光度法によるニッケルの定量
- リン酸系酸中におけるマンガンの酸化とその分析化学的応用
- リンバナドタングステン酸-メチルエチルケトン抽出-吸光光度法によるバナジウムの定量
- ハイドロサルファイトの分析化学的応用の研究-1-
- タイトル無し