アセチルとC-メチル基の迅速半微量定量法(第1〜2報)
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概要
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アセチルとC-メチル基の定量を容易かつ迅速にするために,酢酸の中和法と蒸溜法とを検討した.<BR>中和法では種々の条件下で酸の使用量χに対するアルカリ量yの回帰式を求め,蒸発による酢酸の損失と,フェノールフタレインのアルカリ色を示すに要するアルカリ量などを明らかにするとともに,酢酸の滴定法とアルカリ規準液の力価の測定法とを確立した.<BR>蒸溜法ではあらたに水蒸気蒸溜の装置を作り,各条件下で酢酸の定量精度を検討した.その結果,蒸溜フラスコの液量は10〜25m<I>l</I>,(1:2)硫酸は3m<I>l</I>以下,また無水硫酸ナトリウムの使用量は液量10m<I>l</I>について5g以上であれば,常に正確に定量でき,その精度は相対誤差約0.2%であることを確めた.また,蒸溜と滴定とに要する所要時間は約15分で,迅速でかつ正確な方法であることを明らかにした.<BR>前報の装置を用いてアセチルとC-メチル基の半微量定量を検討した.<BR>アセチル基では,ケン化温度とケン化時間との関係を明らかにして1回の定量所要時間を45〜55分に短縮し,フェナセチンを用いて,分散不偏推定値の平方根が0.14%という良好な精度で定量できることを確めた.<BR>C-メチル基の定量は,Kuhnの装置では操作に熟練を要するが,本装置によればアセチル基と同様に容易に定量でき,しかもその精度が優れていることを明らかにした.また市販無水クロム酸の精製法,還元剤として30%過酸化水素水の使用などについても言及した.
著者
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