微量リンの比色定量法に関する研究 : ハイドロキノンによるモリブデン青法について
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概要
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微量リンをモリブデン青法により比色定量する際,還元剤としてハイドロキノンのみを用い,加温発色を行ったところ次のことがわかった.<BR>(1)モリブデン青について700mμ付近に最大吸光度をもつ吸収曲線がえられたが,比色のためには660mμのフイルターで充分である.<BR>(2)発色温度が50℃以下の場合は,温度と吸光度は比例するが,60℃をこえると急に過剰のモリブデン試薬が発色を始めるためこの関係が複雑になってくる.<BR>(3)加温時間は10分から1時間の間は大差ない.<BR>(4)50〜60℃で10〜20分間加温し発色させると,リン濃度1ppmのとき相対誤差0.5%で分析できる.<BR>微量のリンをハイドロキノンを用いてモリブデン青法で定量するとき,不純物としてのリンが混入するおそれのある助剤などを添加することなく,50〜60℃で20分間加熱発色するだけで,発色後も安定な青色液を得ることができ,感度よく1ppmのとき相対誤差0.5%というよい精度で分析できる方法を確立した.
著者
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須藤 猛郎
三菱化成工業株式会社黒崎工場開発部
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須藤 猛郎
三菱化成工業黒崎工場開発部
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浜川 達郎
三菱化成工業黒崎工場開発部
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久保田 貢
三菱化成工業黒崎工場開発部
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久保田 貢
三菱化成工業株式会社黒崎工場開発部
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