陰イオン交換樹脂法を併用したハンダ合金中のビスマスの吸光光度定量
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概要
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ハンダ合金中の微量ビスマスを陰イオン交換分離を併用し,ヨウ化カリウムを加えて460mμで吸光光度定量し,満足できる結果を得た.<BR>ハンダ合金よりビスマスを分離するには陰イオン交換樹脂,ダイヤイオンSA#100を用い,8<I>M</I>塩酸溶液として樹脂柱を通して鉛を除き,吸着されたスズは2<I>M</I>硝酸,ビスマスは0.5<I>M</I>硝酸,アンチモンは1<I>M</I>水酸化ナトリウムで溶離した.<BR>なお,そのほか,ハンダ合金中に共存する銅,鉄,アルミニウム,ヒ素,亜鉛などの微量成分は分離できずにビスマスと共存しても,吸光度測定に際して妨害するほどの量でない.所要時間は5時間であるが,ほとんど溶離および蒸発濃縮に要する時間で原理的困難さはない.ハンダ合金中0.01〜0.2%の範囲で定量可能であり,相対誤差3%である.鉛地金にも応用可能である.<BR>(1)ヨウ化ビスマス抽出法によるビスマスの吸光光度定量法を検討し,ビスマス0.21mg/10m<I>l</I>まではベールの法則にしたがう.<BR>(2)妨害イオンはスズ,鉛,アンチモンであり,その他のイオンはハンダ合金において含有量が妨害許容量以下である.<BR>(3)妨害イオンは陰イオン交換樹脂に対する吸着の差を利用して除去した.<BR>(4)本分析法は5時間ぐらいかかるが,ほとんど溶離および蒸発に要する時間で原理的困難さはない.ハンダ合金および鉛地金中のビスマス定量法として利用できる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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