鉄鋼中の燐および硫黄の迅速分析法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鉄鋼中の硫黄分の定量は,JISにより定められているが,この内重量法による場合は時間を要し,燃焼法による場合は相当高温の炉を必要とする等,現場分析には不適当と思われる点がある.筆者等は,迅速かつ容易に分析する事を主たる目的として下記の如き方法を考案した.すなわち試料(一般に鉄鋼中の硫黄は0.1%以下である)を過塩素酸にて分解することにより,珪素を速やかに分離すると共に鉄イオンの色を無視出来るようにした.次にこの濾液を二分し,一方は常法(学振第19小委,第1分科会)の如くバナドモリブデン酸を用い燐を光度法により定量し,他の液は,室温以下の温度で過塩素酸バリウム溶液を添加して硫酸バリウムの白濁を生ぜしめ,この液の吸光度を測定して硫黄の定量を行う方法である.<BR>以上の如き方法による時は,燐および硫黄を約1hr以内にまた同一試料から定量することが出来る.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- 黒鉛をもつ鋳鉄試料のグリム放電による発光分光分析
- グリム放電におけるランプの構造と試料表面粗さの影響
- 炭化ケイ素-黒鉛ルツボを使用する金属中極微量酸素の分析
- 金属中ガス分析法の進歩(V) : 不活性ガス担体法による酸素,水素および窒素の分析
- スパーク放電における金属電極温度の影響V : 鋳鉄試料の分析における組織依存性の減少
- スパーク放電における金属電極温度の影響IV : 大気中における鉄系二元合金の場合
- スパーク放電における金属電極温度の影響 : III. 鋳鉄の加熱電極による分析
- スパーク放電における金属電極温度の影響 (第1報) 特に大気中における純金属電極
- N.B.S.スペクトル線強度表を利用した簡易半定量法
- 簡易分光分析器による銅合金の定量