アセチルアセトンによる希土中トリウムの溶媒抽出分離
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概要
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トリウムのアセチルアセトン錯塩-四塩化炭素系の溶媒抽出分離法を検討した.トリウムは4.5以上のpHで事実上完全に抽出されるが,ランタン,セリウム(III),プラセオジム,ネオジム,サマリウム,およびイットリウムは,1〜8のpH範囲では全く抽出されない.重希土の非抽出性も実際の試料については確かめられたので,抽出分離の最適pH範囲を4.5〜6と結論し,実用法を定め,合成試料について適用性を調べたが,この抽出分離法はトリウムと希土の分離手段として有効であることを確認した.保存溶液の標定に関連して,トリウムオキシネートの臭素酸塩溶液による分極電極滴定,およびセリウム(IV)の黄血塩溶液による電位差滴定を検討したが,いずれも非常に有用であった.<BR>アセチルアセトンを用いる希土中トリウムの溶媒抽出分離法を検討した.<BR>(1)トリウムは4.5以上のpHで事実上完全に抽出されるが,希土類元素の抽出は認められない.<BR>(2)抽出分離の最適pH範囲を4.5〜6と結論し実用法を定めた.<BR>(3)合成試料についての分離定量結果は満足すべきものと考えられる.
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