ジチオール法による鉄鋼中のモリブデン,タングステンの同時定量
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概要
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鉄鋼中のモリブデンとタングステンをイオン交換法で分離後,ジチオール法で同時定量した.<BR>硫酸-リン酸混液でス解した試料溶液をチオシアン酸型陰イオン交換樹脂(Dowex1,X-8,100〜200メッシュ)に通すと,銅(II),モリブデン(VI),タングステン(VI),スズ(IV)および鉄(III)は樹脂に捕そくされ,クロム(III),マンガン(II),ニッケル(II)は捕そくされない.一方,アンチモン(III),ビスマス(III)はわずかに捕そくされるが1<I>N</I>硫酸で容易に溶離できる.樹脂に残る金属のうち,モリブデン(VI),タングステン(VI),スズ(IV)は,0.5<I>M</I>塩化ナトリウム-0.5<I>M</I>水酸化ナトリウムで定量的に溶離でき,かつ同一フラクションに流出する.この流出液の一定量を分取してジチオール溶液を添加し,生成する錯体を<I>n</I>-酢酸プチルで抽出する.抽出液の吸光度をそれぞれ610mμ,660mμで測定し,モリブデンとタングステンの量を算出する.この場合,スズージチオール錯体は<I>n</I>-酢酸ブチルに抽出されないので妨害とはならない.<BR>本法によれば,鉄鋼中のモリブデンとタングステンを迅速かつ簡単に同時定量できる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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